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BEAUTY AWAKE

Nicole. オーナースタイリスト 西村晃一/Kouichi Nishimura

STYLIST’S VIEW

 大阪で20年以上美容師をやっていると「東京に進出しないんですか?」とか「東京で美容師をやろうと思ったことは?」という質問を受けることがあります。そう訊かれても、これまでは本音を言ったことがなかったように思います。そんな僕にも「東京に行きたい」と強烈に思ったことがあるんです。でも僕は東京に行く道を選びませんでした。そのときに「東京に行きたい」という言葉を飲み込んだ鮮やかな記憶が僕の胸にはいつもあります。
自分の場所で
どこまでも自分らしく
 中学生のころに美容師になると決めてから、ずっとブレずにこの道を進んできた僕にとって、転機は20代後半から30代前半にありました。念願の美容師になって、毎日のサロンワークが楽しくて、お客さまに喜ばれて自分の店も持って……。でも、うまく言葉にはできないけれど、モヤモヤとしたものを抱えていました。

「なんで美容専門誌に載れないんだろう?」「カリスマと呼ばれている美容師さんたちと自分の差は何なんだろう?」そんなくすぶった思いがあったんです。そんなときに東京で偉大な美容師さんと出会いました。東京に行けば行くほど、その美容師さんに会えば会うほど刺激がもらえて……。この時期、僕の心の中に「東京に行きたい!」という気持ちがなかったとは言いきれません。でも、その美容師さんは「まず『関西で一番!』の美容師として西村さんの名前が上がってくることが大切なんじゃない?」っとズバッと言ってくれたんです。同じころ僕のモヤモヤを察して、現在『Jurrian-may』で活躍しているMakkyは「有名になりましょう」って僕に言ってくれました。
 こんな僕のことを心から応援してくれる偉大な美容師さんが東京にいる。僕を心から慕ってくれるMakkyが大阪にいる。そう思ったら「東京に行きたい」と出かかっていた言葉はぐっと飲み込むことができたんです。
 確かに関西で名実ともに一番にもなれていないのに全国区で有名になろうだなんて虫のいい話。「そうだ! まずは自分の場所で腕を上げればいいんだ」と腑に落ちました。それからは作品づくりに本気で取り組みました。全国区で闘うには作品で勝負するしかないと思ったからです。作品づくりに本気で取り組み始めると自分に足りないものが次々と見えてきました。もともとツテもアテもコネもない(笑)から、何に対してもがむしゃらでした。でも、そうこうしているうちに美容専門誌でも取り上げられ、コンテストで入賞もし、セミナーの講師として各地に招かれ、大阪以外の土地からお客さまも来てくれるようになっていったんです。

 とにかく手を動かして頭に、髪に、触れる。サロンワークでも作品づくりでもこれが僕の基本です。美しいヘアデザインを提供するには触診するのが一番です。触れることで頭の形を確かめながら、髪を動かしながら、髪の質や癖を手でつかむ。触診すれば今の状態だけでなく、前がどんな状態だったのかもわかります。そしてその上でベストだと思うデザインをつくる。

 今日のモデルさんは、グラフィックデザインの勉強をしている芸大生。変化することを楽しんでいました。でも僕は、ただ個性的なヘアスタイルにするのではなく、彼女に本当に似合っていて、彼女のもともとのよさがきわだつスタイルにしたいと思ったんです。だから黒にカラーリングして彼女の素のよさが出るショートヘアにしました。ふわっとゆるっと可愛らしい雰囲気をまとわせるのではなく、ダイレクトに彼女の魅力を出すことにしたんです。黒もショートもごまかしのきかないスタイルです。でもそれを選ぶことで「ごまかさなくても素敵だよ」って僕は伝えたかった。

HAIR STYLE

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AFTER THE BEAUTY AWAKE

 長く美容師を続けてきて、引き出しの数も増えれば、その引き出しに入っている中身も増えてきているように感じています。今は、「引き出しから何を出そうかな?」とか、「あの引き出しを今度いつ開けようかな?」という楽しみがいっぱいです。今後、自分がどんな美容師になっているかわからないけれど、1年後は、たぶん変わっていないだろうな。3年後は、ちょっとじじいになっているかな。5年後は、またさらにじいさんになっているかもしれないな。10年後は、やっぱりあんまり変わってないんだろうな。僕はここでずっと美容師をやっているから、いつか会えるよね。いつか会おうね。今はそんな感じでいます。

西村晃一
Nicole.オーナースタイリスト
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