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BEAUTY AWAKE

Double 中原章義/AKIYOSHI NAKAHARA

STYLIST’S VIEW

 人前に出たいわけではない。でも「自分」という存在の価値を「自分」が実感したい。そう思う僕にとって、美容師という仕事は適職だと思っています。自分より上手な人がたくさんいて、自分が教えたいと思う後輩たちがいる。天才でなくとも、カリスマでなくとも、毎日、吸収できることは吸収し、与えられることは与える。できることをできるだけ続けていくことで、自分が自分を信じられるようになる。美容師は、僕にとってそれがいちばん実感できる仕事です。

喜んでもらう
そのために生きています
 毎月、何百人ものお客さまが来てくださる。その一人ひとりに、僕はいつも同じでいたいと思っています。同じでいるためには、前回よりも、ヘアデザインのクオリティが絶対に下がっていてはいけない。気持ちも下がっていてはいけない。技術、センス、心……そのすべてが下がっていては「同じ」だと思ってもらえないのです。下がった瞬間に「前のほうがよかった」と思われて「同じ」とは感じてもらえません。さらに言うならば「同じ」であるためには、上がっていないといけません。

こだわりを持つお客さまが多いおかげで、カットだけでなく、パーマ剤やカラー剤の塗布、パーマのロッド巻きなど、これまではできる限り、自分でやってきました。お客さまから指定いただくことも多いからですが、それだけ信頼していただけているのならば、自分でやりたいと毎日、感じています。ただ、一人でも多くのお客さまに喜んでいただくためには、その方法では限界があるのも事実です。一日はどんな天才でも24時間。それ以上に増やすことは誰もできません。でも、限界の天井を少しずつ上げていくことはできます。まずは、自分の技術を磨くこと。自分の気持ちを毎回、新鮮に保つこと。道具を丁寧に扱い、きれいな状態にすぐに戻すこと。それらの積み重ねで、無駄な動きは、どんどん省かれていきます。そして、磨けば磨くほど、無駄が減っていき、気づいたときに、昨日までの自分の限界よりも少しだけ、限界のラインが変わっているのです。
  どうして美容師になったのだろう? この先、自分はどのように生きていけばいいのだろう? 30歳になる前の僕の頭には、いつもこの考えがありました。美容師自体をやめること。お店をやめること。独立すること。同じお店で働き続けること。さまざまな選択肢がある中で、明確な答えが出たのは、5年ほど前です。その答えを導きだすための気づき、それはとてもシンプルでした。
 喜ばせたい。それが僕の根底にあり、原点であり、生きる力になっていることを自覚したのです。喜んでいただく。それには、今、僕が持っている財産である美容の技術やセンスをすべて目の前のお客さまのために使いきること。毎日、新たに、その財産を魅力的なものにしていくこと。そのためには、今、自分のいるお店が自分にとって、いちばんいい環境だと気づいたのです。尊敬する師匠がいる。追い越したい先輩たちがいる。毎日、自力で自分を律していくことは大変だけれど、そんな僕でもこの環境に身を置いておけば、なりたい自分に近づける。そう確信したのです。

もちろん、自分が思う自分の理想にほど遠くて、弱音を吐きたくなることもあります。泣きたくなることもあります。でも、突然、天才美容師になれるわけじゃない。1日で急にうまくなれるわけじゃない。そこまで悩みに悩んで行き着くと、開き直ることができます。「まだまだだけれど、何もできないわけではない。今できることを今、一生懸命やればいい」。心の中からそんな声が聞こえてくるのです。「今」できる限りのことを「今」やる。
 今日のモデルさんは、有名美容メーカーで販売職をしている美容部員さん。顔が小さくてキリッとしているので、一見、髪やヘアスタイルに悩みを抱えているようには見えません。でも僕は、最初にお会いしたときから、もっと彼女自身に似合うスタイルがあるはずだ、と感じていました。 お話を聞くと「キリッとした顔立ちのせいで、だまっていると怒って見える」「本当はおしゃべりなのに無口だと思われている」と、内面と外見のギャップに戸惑っているようでした。そこで、直線的な髪にナチュラルな曲線をプラスするパーマをかけて、ツヤとやわらかさを感じさせるラベンダーアッシュのカラーにしました。

 キリッとした顔立ちの女性に、男性はクールでカッコよくて高嶺の花というイメージを持ちますが、必ずしも本人がそれを望んでいないこともある。だから、僕は、彼女の目や肌の美しさを強調しすぎないように、彼女が望む「誰からも親しみやすい美しさ」に整えたいと思ったのです。
 彼女の持つ強い美しさがいいと思っているまわりの人は、なんで可愛くしたの? カッコいいままのほうがよかったのに、という感想を持つかもしれません。でも、内面と外見のギャップが少なくなったほうが接客業の彼女の毎日は、変わる。僕はそう思ったのです。
 7年前、パーマをかけてガッカリした経験から、それ以降は、アイロンで巻くという選択肢を選び続けてきた彼女の毎日も変えたいと思いました。髪が細く、内側と外側では髪質が異なる彼女の髪にパーマをかけることは、ある意味、美容師にとってもリスクが大きいものです。でも、僕は、アイロンのいらない生活という新しい明日をプレゼントしたかったのです。

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AFTER THE BEAUTY AWAKE

 「明日はどうなっているかわからないから不安だ」という人もいれば「どうなっているかわからないから楽しみだ」と感じる人もいる。僕は、僕らしい美容師のあり方を実現し続けていくことで「平凡な人でもきちんと”当たり前”を続けていれば、自分で自分の居場所をつくることができる」ということをお客さまや後輩たちに感じてもらえたらなと思っています。そして、自分で自分の居場所をつくることができたら、明日が不安か楽しいかは、自分しだいになっていくと思っています。

中原章義

Double スタイリスト

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