「第二夜」
2019.08.14
お師匠さんから教えて頂いたことの中で、今一番響いている言葉があります。
「お店を続けて行くうえで、自分が飽きない商いを続けること」
営業中は一日たりとも同じ日がない、毎日がライブなのですが、実家よりも何処に何が何個あるかさえ分かっている店内。足りない物があれば、何処で購入すればお安いのかさえも分かる土地感。
なので毎日に少しだけ「工夫」を加えること。
新しい商品の開発は勿論のこと、例えば今日は「お会計」と言わず「お出掛け」と言ってみようなど「サービスの工夫」はより大切と考えております。そんな自分に工夫不足を感じる時、読ませて頂く本があります。
「ハリーズ・バー 世界でいちばん愛されている伝説的なバーの物語」
所持金が底をつこうとしているハリー・ピカリングに、ジョゼッペ・チプリアーニが1万リラを貸すところから始まり、音沙汰もない数年が過ぎた頃、突然ハリーが現れ「これが君のお金で、それから僕の感謝の気持ちとして、4万リラを受け取ってくれ、一緒にBARをはじめよう!!」
そうしてはじまったハリーズ・バーが伝説的になっていく物語。
名サービスマンが揃うお店、彼等が行なっていることは当たり前の様で、この当たり前が僕にとってはまだまだ「工夫」のヒントになっております。
さて、今宵は工夫を凝らしたハリーズ・バー生まれのカクテル「ベリーニ」はいかがでしょうか。
ヴェネツィアの画家ジョヴァンニ・ベッリーニが描く鮮やかなピンク色をイメージし、桃のピューレにプロセッコを加えたカクテル。
最後に本の中での一文
「サービスの精神は、何よりも愛なのだ。」
自分が言っている絵を想像すると、頬を桃色に染めてしまいますね(笑)。
ではまた今夜。
前職は美容師という異色のバーテンダー。
barとまり木
東京都中央区銀座7丁目6−19
☎ 03-3572-8181
営業時間18:00〜3:00
日曜、祝日定休