2021年3月担当 Snob Eternita/畠
2021.03.01
その日、私はただひたすらに、スプレイヤーで水をかけていた…。
撮影日の約一週間前、もしかしたら雨が降るかもしれない…という情報が入りました。
私はこれまで運が良かったのか、大切な撮影の時には晴れることが多く、自分は晴れ女だと信じきっていたのですが、予想外の雨。
今回モデルをしてくれた恭子ちゃんの笑顔が私は大好きなので、恭子ちゃんが大好きなローラースケートを履いて滑っているところを撮りたいと考えていたのですが、雨だと危ないので無理だね。となり…ガッカリした気持ちが大きかったです。
でも、撮影を終えた今は、雨が降って良かったなぁと思っています。
ヘアカタログの撮影なのに、恭子ちゃんを雨に打たせながら、+スプレイヤーで髪や顔を濡らし続ける私。
どんな美容師なんだ?笑
と、心の中で思いながらもひたすら濡らし続けていました。
でも不思議と髪が濡れてメイクが崩れていくほどに素敵な表情になっていく恭子ちゃん。どんどん雨の雰囲気とマッチして、髪が濡れる前より素敵になってました。
私は、ああ、これが『日常に溶け込む髪』『恭子ちゃんがいつも慣れ親しんでいる髪』なんだと初めて理解した気がしました。
たしかに、髪はセットしてすぐが一番綺麗かもしれません。
でも、小さいお子さんがいてなかなかセットする時間がないお客様。髪の毛をセットする時間より寝ていたい…というお客様。1日の中で髪にかけれる時間は人それぞれです。
2ヶ月に1回来てくださるお客様も、1年のうち残りの約360日は私の手が入っていない髪型で生活されます。
(*もちろん私の想いは毎日乗せてますよ!)
きちんとブローをしたりアイロンを巻いたりしなくても、誰かに髪を褒めてもらえる。
そんなお客様で溢れて欲しい!と心から思いました。
私にとって、初めての体験をした1日で、そして、撮影後に広がった青空をみて、この青の色の美しさに気付くための雨だったんだなぁと思った1日でした。