2023年7月担当 SEN 新和人
2023.07.04
今回7月のCoversを担当させて頂きましたSENの新です。
美容師になって14年、初めていただいた表紙の仕事にとても心が躍りました。
作品を作る上で欠かせないのはモデルさん、僕たちの代弁者になってくれる存在だと思います。
そんなモデルさんを、今回は東京の大手事務所で活躍している岡本百恵さんにお願いしました。
このお話を頂いた時に、真っ先に思い浮かんだのが百恵ちゃんでした。
彼女と出会ったのは5年前ぐらい。
彼女がまだ大阪の事務所に入ったばかりの駆け出しのころで、撮影のモデルやコンテストのモデルなどたくさん協力してもらいました。
彼女自身も「モデルとして世界の舞台に立つ」という夢に向かって漸進していて、情熱を燃やして頑張っています。
そのようなところが自分の思いとリンクしているように感じ、今回彼女にモデルをお願いしようと思いました。
また、自分が出会い共に成長してきたモデルさんと、お互いにプロとして撮影の場でセッションする、というのも僕の夢の一つでした。
今回の撮影で、テーマはどうしようか、彼女のどのような表情を引き出そうかギリギリまで悩みました。
今まで作品を作る時は、
ヘアをどうにかしないと…
カッコいい髪型を作らないと…
そういう思いが先行してしまって、気づけば「髪を作る」ことに必死でした。
それはもちろん悪いことではないのですが、
しかし自分は本当にこれを作りたかったのか…
いつも自問自答していました。
そこで、心の中を整理して。
開けっぱなしにしていた引き出しをひとつひとつ丁寧に閉めて。
そうすると自然と答えがでてきました。
『make a person』
できるだけ自分の手は加えず、彼女の心の中を映し出そう。
うちに秘めた芯の強さ、ブレずにまっすぐ漸進して生きている様。
それを作品に残そうと決めました。
乾かしただけの、柔らかく少し膨らんだシルエット。
カットしたままの優しい毛先の質感。
そして彼女の素の表情が、一枚の写真に写し出されたとき、
「これが作りたかったんだ!」と自分の思いが満たされた気がしました。
協力してくれた百恵ちゃん、メイクをしてくださったエリカさん、僕が表現したかったことを丁寧に撮ってくださった松山さん。
皆さんのおかげでできた作品です。
本当にありがとうございました‼︎
この撮影をきっかけに原点に気づくことができ、自分は美容師として何を作っていきたいのか、何を伝えたいのか。
半歩先に進めたような気がします。
髪の毛を通じて、これからも素敵な人をつくっていきたいと思います。
ありがとうございました‼︎