『旅人たち』
2019.07.25
今年は梅雨らしい梅雨でしたが
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
平野アライズことアライズコーヒーロースターズは、雨の日は特に海外からのツーリストの比率が上がります。滞在の日程が限られている旅行者は、宿に籠もっていても時間がもったいないので悪天候でも外を出歩くわけで、その気持ちはよくわかります。そして、平日の雨の日であれば大抵は穏やかな営業となるため、ガラス越しに降る雨を見ながら何とは無しにお客さんと言葉を交わす機会も増えるのです。
これを書いている本日は曇りでしたが、今日だけでもボリビアのアーティスト、上海のファッションデザイナーをはじめ、実に多彩なツーリストをお迎えしました。
台湾、韓国、香港、中国、タイ、インドネシア、フィリピン、オーストラリア、カナダ辺りからの来訪者はコーヒーショップを経営していたり、コーヒー焙煎士だったり、バリスタだったりと同業者であるケースも多いです。
過去には
「滞在中、アライズに毎朝来るために近くに宿を取った。来年も同じ時期に来る」
と言って本当にそれを現実にしてくれたオーストラリア人もいました。
時々ある、たまたま居合わせた旅行者同士で仲良くなり、来店のタイミングはバラバラだったのに帰りは同時に退店してどこかに一緒に向かう、という光景を見ると、なんだか自分も嬉しくなります。
はたまた、先日面白かったのが、それぞれ一人客で来たイギリス人と香港人と台湾人が
「ベルリンのコーヒーショップだったら○○がお薦めだ」
とか、各々がその街を訪れた時の体験からお薦めし合っていることも。
特に海外からのツーリストたちは、何かしら交流のあった記念に写真を撮ることが多いので、そのタイミングで時々自分のカメラでも撮影しておくようにしていたらいつの間にか結構な枚数になっていました。ここに貼っている画像はほんの一部です。
このような交流や空気感を「海外のバックパッカー向けのホステルのようだ」と言われることがあります。特に平野アライズはコーヒースタンドでありながら、来店時は見知らぬ旅人同士がなんらか交流を持ち、またその体験をきっかけにリピートで来てくれるお客さんが国内外問わず存在します。
ブルーボトルの開業以降、「コーヒーの街」という切り口で多少知られるようにはなったものの、ツーリストの最初の来店動機は実に様々。
偶然通りかかった、先に来店した友人知人に薦められた(このケースが多い)、Webで記事を読んだ(知らない個人サイトも多数)、You Tubeで見た、ネットで見た画像にSEPULTURAのポスターが写っていたので店主がメタルだと確信した、
ドミネーターやゾイドが写っていたのでオタクだとわかった、ラマ9世やタイ語が散見されるのでタイに縁のある人間だと思った、などなど。
きっかけは単なる偶然でも何でもいいのです。
平野アライズ店主である自分は正直言って英語すら大して話せはしないものの、「せっかく何らかの縁で来店してくれたのだから、何かしら印象に残る時間であって欲しい」という思いだけはあります。
細かなエピソードの数々はまたの機会に回すとしまして、ここで宿に関係したお知らせがひとつ。
この度ありがたいご縁ありまして、
我々アライズコーヒーが京都におじゃまします。(上京!!)
屋号は『ARiSE COFFEE ALTERNATIVE』
アライズコーヒー オルタネイティブ(アライズオルタと呼称)。
所在地は二条城のほど近くにオープンするカプセルホテル「ファーストキャビン京都二条城」の1階正面、堀川通り沿いの落ち着いたロケーションです。
8月のオープンに向けて現在作業中です。
「Alternative」には「別の」の他に「慣習的方法をとらない」という意味もあります。
遠く西へ深川から離れること、宿泊施設の館に入ること、清澄白河で自分の幼なじみが醸造するクラフトビール、タイをはじめアジア各国で見つけたハードリカーなどのアルコール類の提供、などなど、まさに全てがオルタネイティブ。
そもそも拡大志向でもなんでもない我々アライズコーヒーが今回出店を決めた理由は、誘致から京都店スタッフに至るまで、様々な人のご縁が自然なかたちでこのタイミングで折り重なったことに他なりません。
しかしながら、やはり本筋としては清澄白河の2店舗ロースターズとエンタングルと同様、高品質なコーヒーのバリエーションを気軽に楽しんでもらいつつ、旅人たちと近隣の方々、老若男女国籍問わない空間にできたらよいな、と思っています。
京都店の運営を手伝ってくれる現地スタッフもまだ若干名募集していますのでご興味のある方がいらっしゃいましたらコンタクトくださいませ。
それでは、また清澄白河で、
8月以降は京都中京区でも会いしましょう!
あなたの街の国際交差点、
アライズコーヒーの提供でお送りしました。
老舗の焙煎卸会社、山下コーヒーで焙煎士のキャリアをスタート。その後、The Cream of the Crop Coffeeの立ち上げに関わり、焙煎責任者として活躍したのち、2013年夏に独立。近年アジア産コーヒー豆に注目し、その多彩な味の魅力を伝えるべく活動中。
ARiSE COFFEE ROSTERS
東京都江東区平野1-13-8
☎03-3643-3601
営業時間 9:30〜18:00
隔週月曜定休
ARiSE COFFEE ENTANGLE
東京都江東区清澄3-1-3
☎03-5875-8834
営業時間 9:30〜18:00
隔週月曜定休
http://arisecoffee.jp/