STYLIST’S VIEW
お客さまを目の前にしたときに大切にしているのは、「普段、お客さまが自分の髪をどう扱っているのか」を知ること。それは、言い換えれば、その人のライフスタイルを知ることです。普段、絶対にやらないことをやらなければならないようなデザインを提供しても、それは続かない。そもそもお客さまに無理をさせてしまうのは違うと思う。だから、お客さまがいつもどおりに暮らせて+α可愛くなるポイントを見つけます。
髪をキレイにすることを
きっかけに、お客さまと
人生を共にしたい。
きっかけに、お客さまと
人生を共にしたい。
今回のモデルさんは、キリッとした力強さを感じさせる16歳。女性の内に眠る美しさを目覚めさせる「BEAUTY AWAKE」に掲載されるのだから、BEFOREとAFTERの違いだけに重心を置いて、BIGチェンジさせるのがよかったかもしれません。でも、私はガラリと変えることよりも、彼女に「似合う」を選びました。これまで短くしたことがなかった彼女にショートにトライはしてもらったけれど、チェンジした印象が強くなる前髪は、長さを残したままにしたのです。ザックリ切って美容師だけが満足するようなヘアスタイルを押しつけたくなかったから。
美容師になって13年。実は、今のサロンの前にもうひとつ働いていたお店があって、そこは1年半で辞めています。なぜなら、入社して1年でスタイリストデビューする方針だったからです。「早くスタイリストになれる!」と喜ぶのが普通かもしれないけれど、私は自分の技術や接客に納得がいかない状態でデビューすることを喜べませんでした。デビュー時期をお店側と交渉したけれど、結局、折り合いがつかなくて辞めたのです。でも、美容の楽しさは知っていたから、このお店は辞めるけれど、次のサロンに入ったら辞めない!と決意していました。今の店に巡り合うまでは、あえていろいろな仕事にトライしました。クッキー工場でクッキーの検品をひたすらやったこともあるし、サンタクロースの格好をしたこともあります(笑)。そんな中で、知人に今のサロンのオーナーである赤松を紹介されて、この人と一緒に働きたいと思ったんです。自信のない状態でやらされるのには抵抗があることを伝えると、「じゃあ、イチからやろう!」「自信がつくまで面倒見るよ!」と鳥羽も赤松も言ってくれて……。
だから、今のサロンでのスタイリストデビューは私にとってとても重みがあることなのです。
だから、今のサロンでのスタイリストデビューは私にとってとても重みがあることなのです。
HAIR STYLE
AFTER THE BEAUTY AWAKE
いろんな美容師さんがいて、それぞれ美容師になったきちんとした理由があるでしょう。私の場合は、「ただただ自分が自分の好きなヘアスタイルでいられる職業につきたい」というのがこの仕事を選んだ理由です。有名になりたい!とか、そういう気持ちは、今もあんまりないんです。我は強いけれど、争いは嫌い。自分が成長するのと同じぐらい、誰かをサポートしてその人が成長するのがうれしい。だから、これからも私はマイペースでいきたいと思っています。
GUMI
veticaスタイリスト