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BEAUTY AWAKE

HEARTS スタイリスト 江良友規子/Yukiko Era

STYLIST’S VIEW

「誰にも負けたくない!」という美容師になったときの原点の気持ちと「美容師としてのいろいろな楽しみを自分らしく味わおう」というゆったりとした気持ち。美容師になって通算16年の間に、私はそのどちらの気持ちも経験しました。そして今。私はその両方を胸にサロンワークや作品づくりに取り組んでいます。
やりたいことを
ただひたすら、やり続ける
 やり続けてきてわかったことのひとつが「やり続けなければいけない」ということ。誰にもつくれないような個性的でとがったヘアスタイルをつくりたい。そう思う一方でサロンワークでは、もっともっとお客さまにフィットしたものをつくりたい。私の中には、そのどちらの気持ちもあって、これまでは、そのときどきにどちらかに重心を置いていたような気がします。
「誰にもつくれないようなものを!」と燃えていたときは、世界最大の美容の祭典で日本代表に選ばれたこともあります。でもその直後に、やりきった達成感と同時に、やりきったはずなのに何も変わらない、むしろ何かを失ってしまったかのような喪失感を味わいました。そして当時の私は、その思いを原動力に目の前のお客さまだけに力を入れる方向へ気持ちが動きました。
 作品はつくり続けるけれど、自己表現を追求することにこだわるより、リアルなお客さまのスタイルをつくることにやりがいを見出していたのかもしれません。でも、ほどなくして頭をガツンと殴られるような出来事がありました。美容業界のアカデミー賞ともいえるコンテストで、同じサロンに所属しているスタッフがグランプリ、最優秀賞、東京エリア賞を受賞したのです。同じサロンで働く美容師として、心からうれしく思うと同時に、そのときに限って作品を応募しなかった自分をとても悔やみました。
 美容師としての自分の心が震えるほど本当に感動すること。それがいちばん大切で、いちばん好きだということを私は今、とても強く感じています。そしてそれを追求するなかで、自分には、作品づくりとお客さまのスタイルづくり、そのどちらもが両方必要だということがわかりました。いい作品を発表して評価されて「有名になりたい!」という本音を隠さないこと。そして目の前のお客さまがおしゃれに可愛くなったときの笑顔を見たい、という素朴だけれど、何ものにもかえがたい充実感を追い求めること。そのどちらもが今の私の美容師としての原動力です。
 今回のモデルさんは、おしゃれに高い関心があって自分のよさもわかっているのに、周囲の大人たちからの見えない牽制に素直に従うような真面目な女性。高校時代、教科書がわりにファッション雑誌を学生かばんに入れて通学していた私とは、正反対のキャラクターの持ち主です。そこで、レングスは丁寧に思いをすり合わせながら顔が明るく見えるように短くカットし、クセ毛を生かしたパーマをかけ、自然なやわらかさを感じさせるカラーにしました。1回でガツンとインパクトのあるデザインやカラーにしなかったのは、「もっとおしゃれになれる!」という自覚はあるけれど「まだ冒険するほどの心構えがない……」そんな彼女の今の心に寄り添いたかったからです。
 新鮮なデザインを提供することも大切だけれど、それは決して押しつけであってはいけない。私は、選択肢をギフトしたいと思っています。提示はするけれど、選ぶのはお客さまであってほしいから。少し変化した自分に慣れたら、次はもう少し変化した自分になりたい……。そんなお客さまの心の動きに、私は寄り添っていきたいのです。

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AFTER THE BEAUTY AWAKE

「ペットを飼い始めたんです」とか「お気に入りのバッグにやっと出会えたの!」とか、長年、おつきあいさせていただいているお客さまから聞く、人生の一コマのちょっとしたうれしい話。それを共有させていただいていることは本当に尊いことだな~、幸せだな~と感じています。その一方で「有名になってやる!」とメラメラ燃える自分が心の奥にいて、その炎が消えていないことを日々確認できることも幸せだと感じています。

江良友規子

HEARTSスタイリスト
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