STYLIST’S VIEW
話したいことがいっぱいある。伝えたいことがいっぱいある。そのような思いを抱えている人はいっぱいいます。でも、話したいからといって話せるか、伝えたいからといって伝えられているか、といったら、それは別。だから僕は、声にならない声、言葉にならない思いを感じ取り、ヘアスタイルにしたいといつも思っています。
毎日、101点をめざして
お客さまに接する態度、提供する技術、店の雰囲気……それらをトータルした満点が100点だとしたら、僕はいつも101点を心がけています。お客さまの『その日の満足の期待値』をちょっとだけ超えたいのです。「おなかがすいたな~」とレストランに入って、おいしい料理でおなかいっぱいになるだけでなく、たとえば、新しい味に出合ってうれしくなったり、また食べたいと思ったりする。そのプラスαの1点のサプライズをめざしています。そしてこの1点は言葉にするとすれば「感動」なのかもしれないな、と最近思っています。
いつも101点をめざしていると、回を重ねるごとに大変になるのでは? そもそも100点で十分じゃない?と思う人もいるかもしれないけれど、僕は、美容師としての自分を出し惜しみしたくないのです。なぜなら、僕はお客さまに「わざわざmerciに、わざわざ僕のところに髪型を買いに」来てほしいから。そして今回101点で、今日までの美容師として持っている全部を出しきったとしても、次にお客さまが来店されるまでに、僕は絶対に前よりもうまくなっているから。サボったりしないでうまくなっていなくてはならないから。
いつも101点をめざしていると、回を重ねるごとに大変になるのでは? そもそも100点で十分じゃない?と思う人もいるかもしれないけれど、僕は、美容師としての自分を出し惜しみしたくないのです。なぜなら、僕はお客さまに「わざわざmerciに、わざわざ僕のところに髪型を買いに」来てほしいから。そして今回101点で、今日までの美容師として持っている全部を出しきったとしても、次にお客さまが来店されるまでに、僕は絶対に前よりもうまくなっているから。サボったりしないでうまくなっていなくてはならないから。
今回のモデルさんは、少し前まで学校の先生をしていて、今は小休止を兼ねて他のお仕事をしている女性。教師という仕事の醍醐味を知りつつも疲れた心と体を回復させるために一旦学校を離れ、パワーアップするための時間を過ごしています。僕は、そんな彼女にハッピーで元気な印象をプラスしたいと思ったのです。そこで、思いきってショートにチェンジ。彼女の人生初というパーマでふっくらふくよかな質感にし、ツヤを感じさせるカラーリングをしました。
19歳でこの世界に飛び込んで、今年37歳。その間、美容師ブームもあれば、求められるままにずっと同じスタイルをつくり続けたこともあれば、ビジネスマンに徹した時期もあれば、多くのお客さまに支持される半面、たくさんのお客さまを失ったこともあります。長年通ってくださっていることに安心してしまい「変わりたい」の声を拾えなかったせいで離れていったお客さまもいれば、120点とってやろうと意気込んで似合うヘアスタイルから逸脱してしまったこと、また「変えたくない」という本心を聞き出せずに表面的にイメチェンをしてしまったこともあります。そして、売り上げというわかりやすい数字だけを追い求めた時期もありました。
絵を描くようにデザインしたいと足を踏み入れた世界だったのに、自分のなりたい美容師像から遠くなっていたことに気づいたのは8年くらい前のことでしょうか。ビジネスとしての美容師、経営者視点を持ったヘアサロン営業は、得るものが多く、学びばかりの毎日でした。でも僕は、心のままにデザインしたいという19歳のころの僕を忘れることができなかったのです。デザインを追求したい! 本当に似合ういいヘアスタイルをつくるためのスキルをあげたい! そんな思いがふくらんで、風船が弾けるように6年前にmerciが誕生しました。
絵を描くようにデザインしたいと足を踏み入れた世界だったのに、自分のなりたい美容師像から遠くなっていたことに気づいたのは8年くらい前のことでしょうか。ビジネスとしての美容師、経営者視点を持ったヘアサロン営業は、得るものが多く、学びばかりの毎日でした。でも僕は、心のままにデザインしたいという19歳のころの僕を忘れることができなかったのです。デザインを追求したい! 本当に似合ういいヘアスタイルをつくるためのスキルをあげたい! そんな思いがふくらんで、風船が弾けるように6年前にmerciが誕生しました。
HAIR STYLE
AFTER THE BEAUTY AWAKE
心のままにデザインしていた19歳のころの僕と、ビジネススキルも技術のアビリティも高くなった37歳の僕が、今は杉川友洋という一人の人間の中でうまく融合しています。長く通い続けてくださるお客さまには安心感と新鮮さをいつも提供したい、そして新しく出会ったお客さまには、これまでとは違ったヘアスタイルによる喜びを知ってもらいたい。
転勤族で地元がなく、生まれた土地に実家がない僕には「帰るところ」がありません。それは少し寂しいことではあるけれど、帰るところがないから、ここから逃げられないし、ここから僕は逃げない。そして今日もここで merci の存在価値を深めています。みなさんと神戸で会えるのを楽しみにしています。
杉川友洋 merci代表
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