STYLIST’S VIEW
小さい頃から将来は何かモノづくりに関わる仕事がしたいと漠然と思っていました。ただそれが「美容師」と限定されたのは、ずっとずっとあとのこと。実は美容専門学校を卒業したあとも心が定まらず、半年くらい木工雑貨を製作販売したり、パンやお菓子教室の講師アシスタントをしながら実家でニートをしていました(笑)。そんな私が「やっぱり美容師になりたい!」と思ったのは、雑誌で目を奪われるほど魅力的なヘアスタイルを見たから。このヘアサロンで働きたい。そう思った私は、すぐに求人誌に目を通しました。
「あ、いつもと違う」
そんな声をもっと聞きたい
そんな声をもっと聞きたい
就職活動の一般常識など何もなかった私は、希望の美容室の「中途採用試験」の文字を発見してすぐに応募しました。美容室の勤務経験がなかったから、本当は「新卒採用」の枠に応募しなければならなかったのだけれど、そんなことすら知らなかったのです。試験に行くと「松山さんは中途ではないので」と簡単な面談で終了。ああ、もうダメだ……そう思っていた私のところに「今度、新卒採用の試験を行うので受けたらいかがですか?」と電話がかかってきました。何を隠そう、その連絡をくれたのが今、私が所属しているDouble、Heartsです。私は、同じ美容室を二度受験して、晴れて希望の美容室で働けることになったのです。
今では、ヘアショーに参加したり、さまざまな媒体で作品を発表させていただけるまでになりました。業界誌で読者が選ぶ月間人気No.1スタイリストに選出されたこともあります。やっと、「何かモノづくりに関わる仕事がしたい」という漠然とした夢が叶い始めたような気がしています。
ただ、美容室に入社してからここに至るまでの間は、ガムシャラでした。練習してカットがうまくなったと思っても、まだまだ上手な人が目の前にたくさんいる。お客さまはもちろん、スタッフたちの声に耳を傾けても、求められていることができているのか自信が持てない。この人の言っていることとあの人の言っていることは違うけれど、どちらも尊敬できる人。どうしたらいいのだろう? 振り返れば、いつもモンモンとしていました。
今では、ヘアショーに参加したり、さまざまな媒体で作品を発表させていただけるまでになりました。業界誌で読者が選ぶ月間人気No.1スタイリストに選出されたこともあります。やっと、「何かモノづくりに関わる仕事がしたい」という漠然とした夢が叶い始めたような気がしています。
ただ、美容室に入社してからここに至るまでの間は、ガムシャラでした。練習してカットがうまくなったと思っても、まだまだ上手な人が目の前にたくさんいる。お客さまはもちろん、スタッフたちの声に耳を傾けても、求められていることができているのか自信が持てない。この人の言っていることとあの人の言っていることは違うけれど、どちらも尊敬できる人。どうしたらいいのだろう? 振り返れば、いつもモンモンとしていました。
今日のモデルさんは、プロダクトデザインを勉強するデザイン専門学校生。はじめて会ったとき、目に力があって可愛らしさとかっこよさが共存しているのに、そのよさを髪の毛で隠しているような気がしてなりませんでした。ふだんは、街で「撮影のモデルに」と声をかけられても無視をする性格と言っていましたが「たまたま声をかけられたときは、映画を観たあとで気持ちが前向きになっていた」と。そこで私は、「自分のよさを出すことに前向きになるタイミングも今だ」と思い、ラインが特徴的なマッシュスタイルにしました。彼女の中に眠っていた「デザイン専門学校生」がまとっている「あ、この女のコ、なんとなくセンスがいい感じ」を引き出したかったのです。
いつも笑っているせいか、お客さまにも先輩にもサロンのスタッフにも悩みがないように思われています(笑)。でもそれは、私がひとつひとつの疑問や不安に、いつもガチンコでぶつかってきたからだと思っています。注意されて必死に取り組んで必死すぎて何が何だかわからなくなってしまったこともあったし、怒られて叱られて胸がズキズキ痛むくらい落ち込んだこともありました。でも、いつも思っていたのは「次は同じ間違いをしない」ということ。その繰り返しで、やっと今、モンモン期も脱出して、笑って楽しく美容に取り組めていると思うのです。
自分が触ることでその人がどんどん可愛くなっていく。そんな美容師になること、そしてそうあり続けること。それが今の私の理想です。死ぬまで美容師をやり続けていくために、どんどん技術もセンスも磨いていきたい。そして「あ、いつもと違う」と笑顔になってくれる人を増やすことが当面の目標です。サロンワークをしていると「どこの美容室に行っても同じ。思いどおりにならない」そんな思いを抱えている人が多いことに愕然とします。でも、本当の美容師と出会えば「そうではない」。それを証明していきたいのです。
自分が触ることでその人がどんどん可愛くなっていく。そんな美容師になること、そしてそうあり続けること。それが今の私の理想です。死ぬまで美容師をやり続けていくために、どんどん技術もセンスも磨いていきたい。そして「あ、いつもと違う」と笑顔になってくれる人を増やすことが当面の目標です。サロンワークをしていると「どこの美容室に行っても同じ。思いどおりにならない」そんな思いを抱えている人が多いことに愕然とします。でも、本当の美容師と出会えば「そうではない」。それを証明していきたいのです。
HAIR STYLE
AFTER THE BEAUTY AWAKE
私自身が個性的なファッションやヘアスタイルをしているせいか、「奇抜な髪型にされてしまうのでは?」と思う方も多いようですが、私は「その人にとって似合う」ことをいちばん大切にしています。ニートもモンモン期も実体験しているので「髪型をなんとなく変えたいけれど勇気が出ない」、そんな中途半端な、けれど素直な本音もよくわかります。ハタから見たら中途半端に思えても、本人にとっては中途半端ではなく、それが本音。だから私は、その本音にいちばん似合う髪型をお客さまと楽しみたいと思っています。
松山絵美
Double スタイリスト
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