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BEAUTY AWAKE

Devellope. 代表 松田直之

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2012年、僕は共同代表の山口直幸・石岡梨絵と3人で、宮城県仙台市にDevellope.をオープンしました。今年で10周年になります。2人は前に勤めていたお店で出会った同期。僕の美容師人生において、前のお店のオーナーや先輩や仲間、お客さまとの出会いは大きな財産です。
髪を通して
‟生活”に寄り添っていく
 もともと、人と接することは得意なほうだったと思います。同期は約10人いましたが、競い合い切磋琢磨するのは楽しいと感じていました。また、先輩と過ごすのも大好き。どんなときでも先輩が誘ってくれたら絶対に断らない。先輩が楽しいよとバイクをすすめてくれれば自分も乗ってみたりしました。そうしなければと頑張っていたわけではなく、そうしたかったタイプでした。
 サロンワークのアシスト業務も苦になりませんでした。先輩が今何を欲しているか、察知してサポートするのは得意で。人間観察が好きなんです。その人のクセを見つけたり、様子を観察して「次はこんなことを話しそう」とか「こんなふうに動きそう」というのを想像するのが得意。高校時代、屋上から道行く人を観察していました。ちょっと変わっていますかね(笑)。
 そんなふうに、デビューまではよく遊びよく学び、充実していました。最初に苦労したのは、デビューしてからのことです。デビュー後しばらく伸び悩みを感じる時期が続きました。人間観察が得意で人のことはわかるのに、自分のことはわからない……。漠然と、売れたい。でも、どうしていいかわからないという日々続いていたんです。
 その一方で、現共同代表の山口がぐんぐんと売り上げを伸ばしていました。卑屈になることはなかったのですが、「置いていかれたくない」と思いました。同期で仲もよく、変わらず一緒に遊ぶ間柄だったからこそ、同じように成長せねばと。それが、本当の意味でスイッチが入ったきっかけでした。
 当時そのサロンは仙台の中心部から少し郊外まで、さまざまな立地で幅広い層から集客していました。僕が勤めていたのは、仙台駅の裏側のまだ開発されていないエリア。街に出てくる同世代の若者よりも、その地域に住む大人のお客さまが多く来店していました。
 そうやって自分の置かれたる状況を分析してみると、僕が得意なコミュニケーションの対象は同世代で、年上の方に接するのはむしろ苦手だったのだと気づきました。でも、その層のお客さまに喜んでもらえなければ成長できません。
 そこで取り組んだのは、やはり技術の追求です。自主練をしたりセミナーに行ったりと研究を続けました。デビューしたてのころは人と接するのが得意と思っていたゆえに、どこか美容師を人気商売ととらえていた節があったように思います。それが浅かったということに気づき、本当の意味で「親身になって接客する」とは、技術や知識の裏づけが大切だということを強く認識しました。
 さらに、プライベートの時間も年上の方と接する機会を増やすようにしました。これは、先輩方が交流の機会をつくってくださいました。
 そうやって技術と接客両面を磨いていき、伸び悩みを克服しました。僕のサロンワークのスタイルは、技術やデザインは理論的に考える一方、カウンセリングは感覚的だと思います。専門的な髪の話ももちろんしますが、まずその人を知り、何が好きで何が嫌いかといったパーソナルな部分に触れてデザインするタイプ。今回のモデルさんからも、お話ししていてどこか「変わりたい願望」がありそうな雰囲気を感じとりました。なぜかというと……、観察の結果なんですけど(笑)。まずはやりたくないこととか気にしていることを聞くところから始めます。そのお悩みに対して「こうしたほうがいい」という解がひらめいても、すぐにはぶつけないですね。回を重ねながら少しずつ、じんわりとおすすめしていきます。
 今そのときどきでいいデザインをつくるのももちろん大切なのですが、その方の髪を一生かけて担当させてもらい、素敵にしていきたいという思いがだんだんと強くなっています。表面的なかわいさやおしゃれさよりも、その人が僕に会い、ヘアを変えることで内面的に豊かになってほしい。
 それは、コロナ禍を経て、改めてお店に来ていただけることのありがたさを痛感しているからだと思います。お客さまが僕を選んで来店してくださることが当たり前じゃないと痛いほど思い知ったのは、2度目ですから。11年前の震災時。みなさん美容室に来ている場合じゃないかもしれない……、でも何かせずにはいられないと、電熱線とポリバケツでお湯をため、カットとシャンプーをしました。普段のお店のようにはいかないし、切ること、流すことしかできないのに、スッキリしたと言ってくださったお客さまのお顔。
 美容師ってすごい、指名して来ていただけるってすごいと思いました。
 世の中こんなに美容師さんがいるのに、僕を選んでくれる人がいるだけでうれしい。髪を通して、その人の生活を少しでも手助けできたら。生活の一部のような存在でありたいと思っています。

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AFTER THE BEAUTY AWAKE

 10年経ち、3人で独立したお店も仲間が10人になりました。だからこそ結果や表面的なこと以上に、芯がないといけないなと思っている部分も大きいですね。言葉で説明する社内コミュニケーションも大切ですが、僕や共同代表の考えが正解になりすぎてもダメなので。僕らが芯を持って生きる、その背中を見せることで、スタッフたちのやりたいことや道筋が見つけていきたいです。また、山口と石岡とならそれができるとも思います。11年前のあの日、電気もガスも通じない中、一緒にお店のために奔走した仲間ですから。自分のこと以上に仲間や相手を思える2人となら、何でも乗り越えていけると信じています。

 

松田直之

Devellope. 代表

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