STYLIST’S VIEW
僕はLegareのオーナースタイリストです。31歳でオープンしてがむしゃらに走り続けてきましたが、今掲げている目標は生涯現役の美容師であること。これは単に一美容師としての夢ではなく、経営者として考え抜いてたどり着いた結論です。たくさん悩み、迷いましたが、僕にしかできない‟美容道”です。
探求心を通して
‟誠実さ”伝え継ぐ
‟誠実さ”伝え継ぐ
そんな僕ですが、正直言って駆け出しのころは美容に対してポジティブではありませんでした。手に職をつけたいと選んだ進路ながら、お店を転々としたり美容師以外の仕事もしたりして。
これじゃあダメだと、美容に向き合い直したのは24歳のとき。業績の目標を立ててがんばり始めました。本を読んだり外部講習に参加したり、コンテストへの挑戦を始めたのもそのころです。ヘアデザインの研究は、目標を達成するための手段のひとつでした。
目標を立て、それを達成することで成長を実感できた。はじめの一歩はそんな小さな喜びでした。
これじゃあダメだと、美容に向き合い直したのは24歳のとき。業績の目標を立ててがんばり始めました。本を読んだり外部講習に参加したり、コンテストへの挑戦を始めたのもそのころです。ヘアデザインの研究は、目標を達成するための手段のひとつでした。
目標を立て、それを達成することで成長を実感できた。はじめの一歩はそんな小さな喜びでした。
その後独立に際して、ヘアカタログなどの撮影を始めました。独立前にも写真を撮っていましたが、「ヘアをうまくできないのに写真を撮るのはまだ早い」と言われてやめていました。しかし、オーナーとしてお店をPRしなければならないので自分でやるしかない、と再開することに。見よう見まねで機材やライティングの勉強をしました。
同時に、オーナーであることとヘアデザインの追求を両立するむずかしさを感じるようになりました。独立前、ヘアデザインや撮影は僕自身が成長するための手段でした。だからこそ、僕と同じレベルのデザイン力を身につけてもらおうとしました。でも、うまくいかないんです。
なかでも、「かわいい」とは何かを教えるのは本当にむずかしい。僕に憧れて師事してくれていた子でも、技術が上達して表現の幅が広がると、次第に僕と違った感性や考え方をもつようになります。教育者としてはそれを認めるべきなんですけど、僕にとっての「かわいい」も何年も探求してきたこだわりで、何でもかんでも譲れるものではない。オーナーとして、プレイヤーとして……、この点も板挟みでした。
同時に、オーナーであることとヘアデザインの追求を両立するむずかしさを感じるようになりました。独立前、ヘアデザインや撮影は僕自身が成長するための手段でした。だからこそ、僕と同じレベルのデザイン力を身につけてもらおうとしました。でも、うまくいかないんです。
なかでも、「かわいい」とは何かを教えるのは本当にむずかしい。僕に憧れて師事してくれていた子でも、技術が上達して表現の幅が広がると、次第に僕と違った感性や考え方をもつようになります。教育者としてはそれを認めるべきなんですけど、僕にとっての「かわいい」も何年も探求してきたこだわりで、何でもかんでも譲れるものではない。オーナーとして、プレイヤーとして……、この点も板挟みでした。
当時は、自分が培ってきたセンスや感性をすべて教えることこそがスタッフのためになると強く信じていました。今思えば、「木村2号」をつくろうとしてしまっていた。価値観を強要してしまっていたんですね。怒ってばかりだったし、その結果スタッフがやめてしまうことも続きました。
これではダメだ、自分が変わらなければ。そう思って改めてスタッフ一人ひとりに向き合い、やりたいことを聞いていると、どんなスタッフでも「お客さまに喜んでもらいたいです」と答えることに気づきました。
これではダメだ、自分が変わらなければ。そう思って改めてスタッフ一人ひとりに向き合い、やりたいことを聞いていると、どんなスタッフでも「お客さまに喜んでもらいたいです」と答えることに気づきました。
そこで、カラーやヘアケア、ストレートパーマなど、各メニューにおいてそれぞれがスペシャリストをめざす育成方針に転換しました。お客さまのために何を勉強するかは自分で考えて選ぶ。その自主性によって人間的にも成長できると思うし、特化してくれたらそのスタッフが社内で教えることもできるようになると思いました。
ひとつだけ守ってほしいブランドの軸は、今この瞬間だけでなく一生担当させてもらうつもりでお客さまに向き合うことです。来店するお客さまは、何か理由があって美容室を変えておられます。悩みを抱えてLegareを選んでくださったお客さまに誰よりも親身に寄り添い、信頼関係を築いてほしい。それだけが唯一譲れないことです。
SNSでバズってたくさんの新規客を担当することが華やかに思える昨今ですが、美容師は労働集約型の業態だから、薄利多売だと継続がむずかしいと思うんですね。ヘアを通して付加価値を提供し、お客さまのライフパートナーとしてもらうこと。そのために何を武器にするかは自分で選んで成長していこう、そういうスタンスです。
ひとつだけ守ってほしいブランドの軸は、今この瞬間だけでなく一生担当させてもらうつもりでお客さまに向き合うことです。来店するお客さまは、何か理由があって美容室を変えておられます。悩みを抱えてLegareを選んでくださったお客さまに誰よりも親身に寄り添い、信頼関係を築いてほしい。それだけが唯一譲れないことです。
SNSでバズってたくさんの新規客を担当することが華やかに思える昨今ですが、美容師は労働集約型の業態だから、薄利多売だと継続がむずかしいと思うんですね。ヘアを通して付加価値を提供し、お客さまのライフパートナーとしてもらうこと。そのために何を武器にするかは自分で選んで成長していこう、そういうスタンスです。
そんなLegareの「生涯顧客」という大きな目標を考えたとき、僕自身も現役で価値を追求し続けるべきだという考えに至りました。経営の勉強をするなかで、ハサミを置いて現場を離れる経営者からも学びました。美容室経営は昔のような徒弟制の‟稼業”から、働き方や福利厚生などを“一般企業”の水準にしていかねばならない。経営者として僕にもその思いはあるし、時代に遅れずに成長していきたいとも思います。
でも、だからこそほかの優秀な経営者たちと自分を比べて、自分にしかできないことは何だろう?と考えるんです。
それが、ハサミを置かないことだと。サロンワークだけでなく、クリエイティブワークもやめない。それが僕にしかできないリーダーシップです。
サロンワークはお客さまのしたいことで、クリエイティブワークは僕のしたいこと。デザインする上での軸は違いますが、僕がクリエイティブワークに取り組む理由は美容に対して誠実であり続けるためです。お客さまに飽きられないために、常に新しくあること。お客さまのオーダーの奥の気持ちをより深く掘り下げ、魅力を引き出すこと。
でも、だからこそほかの優秀な経営者たちと自分を比べて、自分にしかできないことは何だろう?と考えるんです。
それが、ハサミを置かないことだと。サロンワークだけでなく、クリエイティブワークもやめない。それが僕にしかできないリーダーシップです。
サロンワークはお客さまのしたいことで、クリエイティブワークは僕のしたいこと。デザインする上での軸は違いますが、僕がクリエイティブワークに取り組む理由は美容に対して誠実であり続けるためです。お客さまに飽きられないために、常に新しくあること。お客さまのオーダーの奥の気持ちをより深く掘り下げ、魅力を引き出すこと。
お客さまへの誠意として、これからも僕は探求をやめません。
経営者とか美容師の皮を脱いだ僕自身は不器用で口下手なので……。スタッフたちは今回も熱心に僕の施術を見守ってくれていましたが、その姿から何か感じとってくれたらいいな。一人ひとりがそれぞれの分野で、お客さまと髪に誠実であってほしい。それが僕の、サロンに立ち続ける理由です。
経営者とか美容師の皮を脱いだ僕自身は不器用で口下手なので……。スタッフたちは今回も熱心に僕の施術を見守ってくれていましたが、その姿から何か感じとってくれたらいいな。一人ひとりがそれぞれの分野で、お客さまと髪に誠実であってほしい。それが僕の、サロンに立ち続ける理由です。
HAIR STYLE
AFTER THE BEAUTY AWAKE
お店とスタッフを守るのは、悩みや迷いの連続です。自信がなくて尖っていたこともあったけど、今「こうなりたい」をはっきり掲げられるようになったのは、自信がついたのではなくて、自信とか関係ないという境地になったというか。まだまだ迷うことはありますが、スタッフが楽しそうに働いてくれるから「よそはよそ、うちはうち」と思えるようになったかな。お客さまのためになることには厳しくストイックに、それでも楽しく挑戦し続けられるサロンでありたいと思います。
木村重成
Legare 代表