STYLIST’S VIEW
SENがオープンしたのは、2020年の11月。Nicole.から異動し、店長という役職を与えてもらいました。それまでも一生懸命がんばってきましたが、実は美容師として自信を持ちきれずにいました。どうやったらもっとお客さまが来てくださるんだろう……? 僕のつくるスタイル、どうなんだろう……? そんな迷いをふりはらってくれたのは、毎日お会いするお客さまでした。
誰よりも
‟心地よい”ことが
僕の個性
‟心地よい”ことが
僕の個性
お店を異動する僕に「ついてきてくださる」お客さまがいたことが、とてもうれしかったんです。お客さまは美容師を指名することが多いので、当たり前のように思ってしまいがちですが、当たり前なんかじゃないと僕は思います。SENのある中崎町は北区、Nicole.のある北堀江は西区で、少し離れた場所になります。お店の周辺にはカフェや古着屋などがあり、通っていただくにも楽しいエリアだとは思うのですが、北堀江のムードとはまた違います。少なからず僕のことを支持してくださり、「次もお願いしたい」と思ってくださる方がいると改めて認識したとき、自信を持たなければダメだ、もっとがんばろうという気持ちになりました。
「自信がない」と言っても、これまでの努力が足りないとか、間違っていたと思っているわけではありません。RedPepper(Nicole./SENなどのブランドの前身となる1店舗目)に入社したのは、有名な美容室で働きたいと思ったからでした。美容業界誌で精力的に作品を発表したり、コンテストで結果を残したりしている西村(晃一代表)や先輩方のように、自分も結果を出して名前を残したいという野心は今でも強く持っています。
だからこそ、これまでも苦手なことや困難をたくさん乗り越えてきた自負があります。アシスタント時代は不器用で……、お客さまの仕上げひとつとってもできなくて、施術の途中で他のスタッフに交代するように言われることもありました。どうやったらお客さまにつかせてもらえるだろうかと、悔しい思いをバネにして考え抜きました。そして、お客さまと積極的に会話を楽しんだり、毎日自主レッスンをしたりと、努力をしている姿勢を見せてアピールを続けました。先輩のセミナー講師の仕事にもついていきたくて、メイクも勉強しました。自分で講習に通ったり、メイク道具をたくさん買って研究したり……。
そうしているうちに、お客さまやセミナーの仕事をまかせてもらえるようになりました。当時の店長や先輩は本当に厳しかったんですが、その分、とてもよく見ていてくださっていたんだなと感じます。
そうしているうちに、お客さまやセミナーの仕事をまかせてもらえるようになりました。当時の店長や先輩は本当に厳しかったんですが、その分、とてもよく見ていてくださっていたんだなと感じます。
スタイリストデビューしてからぶつかった壁、自信のなさをひも解いていくと「僕の個性は何か」という悩みでした。「スタイルの仕上がりは悪くないけれど、おもしろくない」と言われるし、僕自身もそう思っていたんです。
そんななかで、異動したお店にもお客さまが通ってくださることは当たり前でないこと、‟有り難さ”に気づきました。僕自身、お客さまには毎回いちばんいいと思うヘアスタイルを提案していますが、ほかにも素敵なスタイルをつくる美容師はたくさんいます。それでもまた僕のところに来てくださる理由は何だろう、と考えるようになりました。
僕なりに追求しているサロンワークのこだわりは「居心地のよさ」です。それを、コミュニケーションを通して繊細に感じ取り、提供することを意識しています。たとえば会話では、お客さまがおすすめしてくださったものを次のご来店前にチェックしておいたりとか。些細なことですが、お客さまの気持ちに寄り添う努力は惜しみません。
また、サロン滞在中の会話だけでなく、ヘアデザインを通しても居心地のよさを提供したいと思っています。最近はSNSでフォローしあっているお客さまもいらっしゃいますので、投稿された動画を見て、髪がいい感じに動いているとうれしいですね。それを見て「次はどんな提案をしようかな」とか「パーマがいいんじゃないかな」と考えたり。
そんななかで、異動したお店にもお客さまが通ってくださることは当たり前でないこと、‟有り難さ”に気づきました。僕自身、お客さまには毎回いちばんいいと思うヘアスタイルを提案していますが、ほかにも素敵なスタイルをつくる美容師はたくさんいます。それでもまた僕のところに来てくださる理由は何だろう、と考えるようになりました。
僕なりに追求しているサロンワークのこだわりは「居心地のよさ」です。それを、コミュニケーションを通して繊細に感じ取り、提供することを意識しています。たとえば会話では、お客さまがおすすめしてくださったものを次のご来店前にチェックしておいたりとか。些細なことですが、お客さまの気持ちに寄り添う努力は惜しみません。
また、サロン滞在中の会話だけでなく、ヘアデザインを通しても居心地のよさを提供したいと思っています。最近はSNSでフォローしあっているお客さまもいらっしゃいますので、投稿された動画を見て、髪がいい感じに動いているとうれしいですね。それを見て「次はどんな提案をしようかな」とか「パーマがいいんじゃないかな」と考えたり。
僕の個性は何だろう?という問いの答えを改めて考えると、お客さまの気分やライフスタイルの‟リズム”のようなものに、とことん寄り添うというこだわりに行き着きます。カウンセリングでオーダーを聞いたあとも、「本当にそれでいいかな?」ともう一歩踏み込んでみる。あるいは、「おまかせで」という方にも、言語化されて出てこない心の中の本当の希望を探る。それを毎回するのではなくて、生活や心境の変化を察知して、心の距離をはかりながらアクセントを加えてみること。
とってもおいしい料理でも、食べているうちに「ちょっと‟味変“したいな」と思うことはありますが、それを誰よりもその人にとって心地よいタイミングで提案できる美容師でありたいと思うんです。それをもっともっと極めていくことが、僕だけの味になったらいいなと思います。
とってもおいしい料理でも、食べているうちに「ちょっと‟味変“したいな」と思うことはありますが、それを誰よりもその人にとって心地よいタイミングで提案できる美容師でありたいと思うんです。それをもっともっと極めていくことが、僕だけの味になったらいいなと思います。
HAIR STYLE
AFTER THE BEAUTY AWAKE
アシスタント時代の困難もデビュー後の悩みも、先輩やお客さまが僕に心を近づけてくださったから乗り越えられたんだなと思います。だからこそ、これから僕自身も自分に自信を持ち、お客さまや後輩たちに心を寄せて恩返しをしていきたいです。コンテストなどで結果を出したいという自分の夢も変わっていませんが、まわりの人の喜ぶ顔が見たいという理由が加わりました。支えてくれる人たちのパワーを胸に、結果を残せるようがんばります!
新和人
SEN 店長