STYLIST’S VIEW
松田(直之共同代表)に、僕の営業スタイルを「カウンセラーみたいだね」って言われたことがあるんです。カウンセラーっていうのはさすがに言いすぎかな……と思いますが、お客さまには「何でも話してもらいたい」と思っていて、その雰囲気づくりに努めてきました。そういう意味では、よく見てくれているなと感じたひと言でした。
お客さまにストイック
だから楽しく続けられる
だから楽しく続けられる
Devellope.は、前に働いていたお店の同期である松田と石岡(梨絵さん)と3人でスタートさせたお店です。オープンから12年、テーマとして掲げているのは「エンジョイ&ストイック」。何事も楽しんで取り組み、お客さまやスタッフとハッピーに。ただし「楽しさ」には裏付けが必要で、易きに流れることなく細かいところまでこだわっていこう、突き詰めて勉強していこうというスローガンです。
今回改めて自分について話すにあたって、「僕にとってのストイック」とは何だろうと振り返ったとき、“対お客さまに関することすべて”へのこだわりなら誰にも負けないなと気づきました。美容師にとっての「ストイック」とは、ヘアデザインの研究とか毛髪科学へのこだわりとかさまざまな追求するポイントがあると思うんですが、僕の場合は「いかにお客さまに喜んでもらえるか」について、誰よりもこだわりたい。いつも来てくださるお客さまはもちろん、初めて来店されるお客さまにも「相談しやすかった」「思った以上の仕上がりになった」と感じていただきたいと思っています。
今回改めて自分について話すにあたって、「僕にとってのストイック」とは何だろうと振り返ったとき、“対お客さまに関することすべて”へのこだわりなら誰にも負けないなと気づきました。美容師にとっての「ストイック」とは、ヘアデザインの研究とか毛髪科学へのこだわりとかさまざまな追求するポイントがあると思うんですが、僕の場合は「いかにお客さまに喜んでもらえるか」について、誰よりもこだわりたい。いつも来てくださるお客さまはもちろん、初めて来店されるお客さまにも「相談しやすかった」「思った以上の仕上がりになった」と感じていただきたいと思っています。
そういう自分のスタイルを見つけるにいたったのは、やはり若手のころからクリエーションワークに取り組んできたことが大きいと思っています。新卒で就職した前のお店もヘアクリエーションに熱心に取り組んでいるサロンでした。入社1年目のときにオーナーがJHA(Japan Hairdressing Awards)にノミネートされ、表彰式を東京まで見に行ったんです。そこで、グランプリを受賞した美容師さんがステージ上で涙ながらにスピーチしているのを見て、会場の熱気、その熱い想いに触れて、クリエーションをやりたい!と思うようになりました。
それから先輩の撮影にすすんでヘルプで参加し、自分もコンテスト入賞をめざすようになりました。いざやってみるとデザインは奥が深くて難しく、楽しさよりも辛さのほうが大きいと感じることもありました。つくっては反省して、撮っては反省して……という日々。自分だけが納得するのではなく、第三者が見てもいいと思う作品とはどんなものかというのは、今でも難しいテーマだと感じています。
そんな試行錯誤の日々でしたが、不思議と負の感情に支配されたりスランプに陥ったりはしなかったように思います。同じ大会をめざしていた松田や石岡が先に結果を出したときも、悔しさはありましたが同じくらい嬉しい気持ちでいっぱいでした。それは結果を求める情熱が弱いからではなくて、僕にとってヘアクリエーションの目的が、それを通したコミュニケーションにあるからなのかな、と。もちろん結果にこだわるストイックさも素敵ですが、つくっていく過程でのサロンの仲間とのディスカッションとか。いちばん嬉しいのは、できあがった作品をモデルさんが心から喜んでくれたときですね。
ヘアデザインを通して、つくり手である美容師だけでなく受け取ってくれるお客さまやモデルさんの心が大きく動く瞬間が、大好きなんだと思います。
ヘアデザインを通して、つくり手である美容師だけでなく受け取ってくれるお客さまやモデルさんの心が大きく動く瞬間が、大好きなんだと思います。
それは、サロンワークでも同じです。だからこそ、何でも話せる雰囲気づくりにこだわります。お客さまが美容室に初めて来店されるときは、期待と不安を抱きながら緊張してドアを開けるはずです。何年経っても何人の顧客に恵まれても、それを忘れずに一人ひとりをお迎えしたいと思っています。
というのも、人の心を動かす、喜んでもらえるヘアスタイルを提案するには情報が大切なので。悩みや日々のお手入れ習慣、ライフスタイルやライフステージなど、最低限の情報はしっかり聞き出したい。だから、お客さまに「緊張して思ったことが言えなかったな」と思わせないようにしたいんです。
今回のモデルさんは、結婚式のために伸ばしていた髪を、久々にバッサリ切ることに。かっこいいテイストを好まれる方なので、ウエイト高めのカジュアルモードなショートレイヤーを提案しました。撮影によく協力してもらっているモデルさんなのですが、こうやって人生の節目に関わることができるのは幸せなことです。
というのも、人の心を動かす、喜んでもらえるヘアスタイルを提案するには情報が大切なので。悩みや日々のお手入れ習慣、ライフスタイルやライフステージなど、最低限の情報はしっかり聞き出したい。だから、お客さまに「緊張して思ったことが言えなかったな」と思わせないようにしたいんです。
今回のモデルさんは、結婚式のために伸ばしていた髪を、久々にバッサリ切ることに。かっこいいテイストを好まれる方なので、ウエイト高めのカジュアルモードなショートレイヤーを提案しました。撮影によく協力してもらっているモデルさんなのですが、こうやって人生の節目に関わることができるのは幸せなことです。
関係性が長いからといって友達感覚にならない、というのも大切なこだわりの一つです。僕は常連さんにも敬語で話すようにしているのですが、関係性に「慣れ」が生まれないようにも心がけていますね。
心はオープンでいられるけれども、プロと顧客としてのほどよい緊張感がある。これが、僕がさまざまな試行錯誤を通してつかんだこだわりのバランス。僕なりのエンジョイ&ストイックの形です。
心はオープンでいられるけれども、プロと顧客としてのほどよい緊張感がある。これが、僕がさまざまな試行錯誤を通してつかんだこだわりのバランス。僕なりのエンジョイ&ストイックの形です。
HAIR STYLE
AFTER THE BEAUTY AWAKE
美容師として24年、独立して12年が経ちました。歳を重ねると、どうしても慣れが出てきてしまうので、そうならないようにしたいと常に意識しています。いつも新鮮にサロンワークやヘアデザインを楽しめるのは、松田や石岡をはじめスタッフのおかげ。松田と石岡が兄と姉で僕が末っ子のような立ち位置で、自由にやらせてもらえているのにも改めて感謝しつつ、スタッフやお客さまの幸せのためにもっともっと美容師を楽しんでいけたらと思います。
山口直幸
Devellope. 代表