LIKE IT! HAIR CATALOG JP THE ERCOMMENDED
Doubleのスタイリスト柏佳代子さんが「LIKE IT!」スポットに選んだのは
東京・代官山のフレグランス専門店、LE LABO(ルラボ)。
「メイド・トゥ・オーダー」のスタイルを大切にする
LE LABO代官山にお伺いして
香水の世界について、あれこれお話を伺いました。
香水をつけることはもともと大好き! でも美容師という接客業のため、強い香りはお客さまのご迷惑を考えるとつけられない。それでも終日、同じ空間にいて、入れ替わり立ち替わりお客さまに接する仕事だからこそ、自分の心のコンディションを整えておくには、香りのもたらす効用が私には大切で……。ほのかに香り立つぐらいにお気に入りの香水をつけていました。
これまではデパートのフレグランス売り場に立ち寄っては新しい香りを試したり、友人からプレゼントされた香水をつけたり、雑誌などの香水特集をチェックしたり。お気に入りの香水はありつつも、ずっとずっと新しい香水との出会いを求めていたのです。そんな中で、気になっていたのが2007年、日本に上陸したルラボ。
今回、ルラボ代官山で出迎えてくださったのは店長の折原さん。店内は、清潔感のある実験室のような、まさに“ラボ”。どんな思いでルラボの香水を提供しているのか? 香水の魅力は何なのか? など、あれこれお聞きしました。
折原潤子 LELABO代官山店長
表面的な香りの特徴を言葉で表現することはもとより、調合された成分の専門的知識も持ち、
お客さまに香りの魅力を物語として伝える達人。
香り選びに悩んだときの助っ人として多くのお客さまの信頼を得ている。
私の周りにもルラボのファンという友人たちがいるのですが、そもそもルラボはいつ誕生したのですか?
「ルラボは2006年に誕生したニューヨーク発のフレグランスブランドです。もともとフランスの大手フレグランスブランドでマーケティングなどに関わっていた男性2人が独立して立ち上げました。アンチ大量生産、アンチ大量消費の考えや思いを根底に持っています」
大量生産ではないから、「自分だけの香りに出会えた!」と思う人が多いのでしょうか?
「ルラボは、オーダーを頂戴してからつくる“メイド・トゥ・オーダー”というスタイルをとっています。パフュームは、作成してからある一定の期間を過ぎると劣化が始まるのですが、ルラボではその場で調合することで調香師が作りたかった香りを完璧に再現することができます。そしてルラボでは名だたる世界最高峰の調香師に香りを依頼しています。彼らに香りの開発を依頼するときには、コスト制限をかけていません。つまり、本当に素晴らしい普遍的な香りを生みだすための妥協をさせない土台があるので、クリエイションの自由度が高いだけでなく、香りの完成度も高いのです」
香りの完成度が高い香水だと「自分だけの香りに出会えた!」と思えるのはなぜでしょう?
「フレグランスは、一般的にトップノート、ミドルノート、ラストノートと時間の経過によって香りが変化します。そしてこのラストノートが重要です。時間が経つにつれて、つけた人の肌の上でどんどん溶け合って、自分だけの香りにデザインされるのです。肌そのものの匂いは、100人いれば100通り。体温も人によって少しずつ異なります。ルラボのパルファムは、フレッシュであると同時に完璧にデザインされているからこそ、つける人の香りになるのだと思います」
デパートなどで香水を買うと、買うときは気に入っていたはずなのに、あとから「何か違う……」と思うことが多いのです。
「大量生産、大量消費のための香水は、多くの人を最初のインパクトでひと目惚れさせないといけません。だから、最初はいい香りだなと思う人が多いのではないでしょうか。ただ、人にはそれぞれの体温や匂いがあるから、なじんできたころになって、初めて似合っていないことに気づくのかもしれません」
今日はせっかくなので、折原さんに香り選びの相談にのっていただこうと思って来ました(笑)。年齢とともに、今の香水が自分に合っているのか?という不安もあり、新しい香りに挑戦してみたい気持ちもあって……。とはいえ、なかなかグッとくる香りがないのです。
「選ぶときに大切にしたほうがいいのは、ベースの感覚ですね。甘くないのが好きなら、その感覚は大切にしたほうがいい。自分が心地いいと感じるものって、そんなにあれこれ変わらないですから。たまに気分を変えるためにつけるのなら別ですが、日常をともにする香りを探しているのなら、ベースは変えずに、雰囲気を変えるものを選ぶといいですね」
透明感のある香りがもともと好きで、ネロリとかイランイランの香りなどは懐かしい感じがします。
「懐かしく感じるというのは、とても大切な感覚ですよ。香りは目に見えないものです。でも嗅覚は感情と直結している分野と言われています。懐かしさを感じる香水は、小さいころに読んだ絵本のようなものなのではないでしょうか。本は読まなければただの紙だけれど、開いてみれば、いろいろな感情が湧き起こってくる。これまでのどこかで、感情の記憶に刻まれた香りを感じる今の自分がいて、シンクロするのでしょう」
少し、大人っぽくなりたいのですが(苦笑)。
「たとえば、同じ花の香りを使用するとしても、その花に組み合わせていく香料を変えることにより表情は変わります。太陽の明るさを感じさせる花に同じ花の枝や葉を加えることにより、自然の中に咲いているような調和のとれたピュアなフローラルにもなりますし、重ねる香りを変えることで海にいるような心地よい幸福感を感じる香りにもなります。大人っぽくなりたい! と肩に力を入れずに、心が惹かれるまま、まずは選んで、肌につけてみましょう。ルラボでは、その場ですぐに判断を促すようなことをあまりしません。一日、つけていてみてください、それで気にいるかどうかを判断しましょう、と時間をお客さまに持っていただくこともあるんですよ。柏さんも悩まれているのなら、そのまま少し時間を重ねてみてください」
最後に折原さんに「香水とは?」と尋ねると、簡潔な答えが返ってきました。
「香水は、人生が変わるアートです。美容師さんのようにモノを自分の手で生みだす人にとって香水は、目に見えないけれど、確実に感情を揺り動かす重要なもの。あぁこの香り好きだな?と思う香水には、きっとご自分の内面とマッチする何かが含まれている。それを大切にして、その上で、この先になりたい自分になるためのプラスαを加えるといいかもしれません。ルラボは、フレグランスショップでもあり、嗅覚を使っていろいろな自分と出会う場所。ぜひ、みなさんも遊びに来てください」
LELABO 代官山
住所:東京都渋谷区恵比寿西1-35-2
TEL:03-5459-2770
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休
http://www.lelabofragrances.jp/