鳥羽:さっき工芸品っていう言葉が出たじゃないですか。それくらい、恐ろしく存在感のあるカメラだと思うんですよね。
Izaki:時計でいえばわかりやすいんだけど、パテック フィリップやロレックスのヴィンテージみたいなものですね。「それ、時間合ってるの?」「いやいやG-SHOCKのほうが合うよね?」って感じ。「それでピント合うの?」って言われれば「ん……どうだろう? こっちの体調がよければ……」って(笑)。
小松:アンティークの時計やクラシックカーっていうのは、乗る気持ちよさとか、持っている気持ちよさがある。それらはまぁ、維持するのはなかなか面倒くさいんだけど、カメラは写真として表せるじゃないですか。何かを表すっていうのはまた全然違うんだよね。
鳥羽:そこらへんがたぶん、女性が入りやすい理由なんですよね。
Izaki:そうですね。
鳥羽:男って、モノだけで満足しちゃう。
Izaki:松井さんは、逆に撮れたもののほうにだけ向いてるから。
小松:本当はそれがいちばん正しいんだよね。
鳥羽:ホント、僕らが能書き言ってるより正しい。
小松:スッと持って撮り、なんか素敵っていうほうがね……。
鳥羽:それがたまたま高いカメラだったってわけで。
小松:もしかしたら、女性のほうが可能性があるのかもしれない。
Izaki:ライカからしたら、女性ファンはいちばん欲しい顧客なのかもしれない。マーケットが広がるだろうしね。
鳥羽:CMOSがどうの、CCDがどうのっていうマニアックな話を松井さんのような年代の女子が聞いててどう感じるんだろう?
松井:私はすごく楽しいですよ。しゃべるより聞くほうがわりと好きで、販売やっていたからかもしれませんが、あーなるほどーって思えますしね。
鳥羽:でも、松井さんの場合はライカにすでに入り込んでいるので、その過程は踏んじゃってるから、普通の女子とは違うか。
小松:男の場合は、誰かがこういう話をすると、焚き火のように燃え上がっていく感じがあるじゃないですか? 女子にもあるのかな? だって、僕ら、この感じの話を酒飲みながらが翌朝までできるもんね(笑)。
もちろん、この熱きトークはまだまだ終わらない。
第3回に続く 「ライカ女子という存在」
プロフィール
いちばん奥)HOBBY IZAKI
20代はグラフィックデザイナー、ファッションデザイナーとしてのキャリアを積み、NIKE、NEW BALANCE、G-SHOCK、HONDAのプロダクトデザインや、BEAMS、UNITED ARROWS、NANO・UNIVERSE等の有名セレクトショップのファッションデザインを数多く手がける。またDJとしても活躍。「DJ hobby:tech」名義でアメリカの名門レーベル「MOTOWN」より「CLUB MOTOWN」をリリースし、オランダで開催された世界最大の音楽フェスティバル「Lowland Festival」に出演。30代でフォトグラファーに転身し、G-SHOCK・Ron Herman等、有名ブランドの広告写真を手掛け話題に。2012年イタリアの高級紳士服ブランド「TIE YOUR TIE」のアートディレクターに就任。2014年6月イタリアの LEICA STORE Firenze にてアジア人として初めて写真展「CRAVATTA」を開催。それを記念して「LEICA × SHINICHI HOBBY IZAKI」オフィシャルコラボレーションアイテムを発表。2014年、写真集「ライカで撮るポートランド」をリリース。2015年、自身プロデュースによるカメラアクセサリーブランド「EXTENNDED PHOTOGRAPHIC MATERIAL」を立ち上げる。2016年より世界のライカストアで「EXTENNDED PHOTOGRAPHIC MATERIAL」の取り扱いを開始。以降、写真家としての活躍の場を広げ、イタリア・ニューヨーク・日本を中心に写真展を開催。現在作品が一枚約3,000ドル以上で取引されるようになる。
奥から2番目)鳥羽直泰 NAOYASU TOBA
有限会社SDR(VeLO/vetica)代表。5年間の渡英生活を経て帰国後、DADA(現DADA CuBiC)に参加。2003年に独立、原宿に『VeLO』をオープン。2009年、新ブランドとして『vetica』をオープン。2015年、VeLO/vetica共に拡張移転オープン。サロンワークを中心に一般誌、専門誌、広告等の撮影、ヘアプロダクツの開発、ヘアデザインコンテストでの審査員、ヘアショー、セミナー活動など幅広く活動中。中学校の時に父から譲り受けたカメラがきっかけで写真を撮り始める。様々なカメラを使った後Leicaに辿り着き、現在は仕事でもプライベートでもLeicaを愛用する。現在はフィルムカメラはM4,デジタルではM8.2,M9-p,MM246,SLを使用中。
手前から2番目)小松 敦 ATSUSHI KOMATSU
1993年HEAVENS設立。
アグレッシブなヘアデザインで注目されJHA受賞。
一般誌・業界誌・広告のヘアデザインから国内外でのヘアショーやデモンストレーションなどのステージワーク、ヘアプロダクツや教育アプリや美容イベントのアドバイザー・ディレクションなど活動は多岐にわたる。各地で開催されるヘアデザインコンテストの審査員を数多く担当し、次世代ヘアデザイナーの発掘育成にも力を注ぐ。2016年からはJHAの審査員に就任。独自の技術論「ツーセクション・カット」、へアデザインの表現思考「リアリティブ」を提唱。自身のライフワークにおいて、サロンワークを最も大切で刺激的な事としている。写真・カメラ好きは業界でも有名。50種類のカメラを使用した。フィルム時代からLeicaを愛用。現在の使用機はLeicaQ。
いちばん手前)松井文
写真家 インスラグラムアカウント@aya_matsui