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鳥羽:BEAUTY AWAKEって、サロンがいくつもある中で、そのサロンの色を出そうという意図だったんで仕方がないんですよ。ただ、逆にそのヘアスタイルだけで戦う! というのもありかもしれませんね。 

小松:あれ、逆やったら面白いねぇ!

鳥羽:そう、逆なんですよ。スタジオで最初ちゃんと撮っといて。

編集部:なるほど。

小松:Beforeをあえてつくりこんで、afterが素みたいな。こんなに化粧をしっかりしたコがこんなピュアなコになるの? みたいな。そのバージョンもいいかもね。

編集部:目からウロコですね。

小松:渋谷でさぁ、ゴリゴリ着飾っているコを捕まえて、ピュアなコに変身させてスッとしたポートレートで撮る!

鳥羽:だから、ノーマルからノーマルでいいんですよ。ヘタしたら。

編集部:そういう意味でいうと、HAIR CATALOG.JPは一般女子向けサイトなので、もし松井さんみたいに写真を生業にしている女性は、ヘアスタイルの形なんか見ないと思うんですよね。ただ、ここにいる美容師さんたちが何を考えて、どういう思いで髪を切ってるのか、その断片だけでも知ってもらえたら「この人に切ってほしい!」って思うきっかけになるかもしれない……そこが僕はいちばん大事だと感じています。編集部でも、いちばん力を入れているのがこのBEAUTY AWAKE。美容師は、お客さまのカットの仕方を考えながら、いろんなことを同時進行させています。後ろでアシスタントの動きを見つつも、会話の内容や展開を考えたり……頭の中を何分割もしながらサロンワークしている。そこに美容師さんの色がすごくあって、鳥羽さんは鳥羽さんの色、小松さんは小松さんの色、もちろん、僕も美容師をやっていたから僕なりの色があった。それを伝えたいんです。

小松: 今は美容師の誰でもがヘアカタを撮るようになったけれど、感度のいい人たちは、ヘアカタというものをなかなか見ようとしない。だからこそ、僕らは写真でどんな表現をするべきなのか? という岐路に立たされている現実を自覚すべきなんだと思う。それを写真やライカを通して問いかけられているような気がする。もっともっと表現の可能性は十分にある。それはこれからも変わらない。こだわり続けていきたいね……。

ライカを愛し、写真を愛し、表現を愛する才能が集結した会は、高い温度を保ったまま幕を下ろした。でも、これで終わりではない。この後には始まりのステージが用意されている。

 

 

 

 

 

 

プロフィール

いちばん奥)HOBBY IZAKI
20代はグラフィックデザイナー、ファッションデザイナーとしてのキャリアを積み、NIKENEW BALANCEG-SHOCKHONDAのプロダクトデザインや、BEAMSUNITED ARROWSNANOUNIVERSE等の有名セレクトショップのファッションデザインを数多く手がける。またDJとしても活躍。「DJ hobby:tech」名義でアメリカの名門レーベル「MOTOWN」より「CLUB MOTOWN」をリリースし、オランダで開催された世界最大の音楽フェスティバル「Lowland Festival」に出演。30代でフォトグラファーに転身し、G-SHOCKRon Herman等、有名ブランドの広告写真を手掛け話題に。2012年イタリアの高級紳士服ブランド「TIE YOUR TIE」のアートディレクターに就任。20146月イタリアの LEICA STORE Firenze にてアジア人として初めて写真展「CRAVATTA」を開催。それを記念して「LEICA × SHINICHI HOBBY IZAKI」オフィシャルコラボレーションアイテムを発表。2014年、写真集「ライカで撮るポートランド」をリリース。2015年、自身プロデュースによるカメラアクセサリーブランド「EXTENNDED PHOTOGRAPHIC MATERIAL」を立ち上げる。2016年より世界のライカストアでEXTENNDED PHOTOGRAPHIC MATERIAL」の取り扱いを開始。以降、写真家としての活躍の場を広げ、イタリア・ニューヨーク・日本を中心に写真展を開催。現在作品が一枚約3,000ドル以上で取引されるようになる。

奥から2番目)鳥羽直泰 NAOYASU TOBA
有限会社SDR(VeLO/vetica)代表。5年間の渡英生活を経て帰国後、DADA(現DADA CuBiC)に参加。2003年に独立、原宿に『VeLO』をオープン。2009年、新ブランドとして『vetica』をオープン。2015年、VeLO/vetica共に拡張移転オープン。サロンワークを中心に一般誌、専門誌、広告等の撮影、ヘアプロダクツの開発、ヘアデザインコンテストでの審査員、ヘアショー、セミナー活動など幅広く活動中。中学校の時に父から譲り受けたカメラがきっかけで写真を撮り始める。様々なカメラを使った後Leicaに辿り着き、現在は仕事でもプライベートでもLeicaを愛用する。現在はフィルムカメラはM4,デジタルではM8.2,M9-p,MM246,SLを使用中。

手前から2番目)小松 敦 ATSUSHI KOMATSU
1993年HEAVENS設立。
アグレッシブなヘアデザインで注目されJHA受賞。
一般誌・業界誌・広告のヘアデザインから国内外でのヘアショーやデモンストレーションなどのステージワーク、ヘアプロダクツや教育アプリや美容イベントのアドバイザー・ディレクションなど活動は多岐にわたる。各地で開催されるヘアデザインコンテストの審査員を数多く担当し、次世代ヘアデザイナーの発掘育成にも力を注ぐ。2016年からはJHAの審査員に就任。独自の技術論「ツーセクション・カット」、へアデザインの表現思考「リアリティブ」を提唱。自身のライフワークにおいて、サロンワークを最も大切で刺激的な事としている。写真・カメラ好きは業界でも有名。50種類のカメラを使用した。フィルム時代からLeicaを愛用。現在の使用機はLeicaQ。

いちばん手前)松井文
写真家 インスラグラムアカウント@aya_matsui

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