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クラブとヘアサロン
人と情報が行き交う
リアルな場所

山田 麻由ちゃんは、PUNKADELIXという名義でDJをやっているけれど、DJをやっているときってどんな気分なの? 使う脳みそが違ったりするのかな?

近藤 自分の中ではデザインやアートと音楽に線引きはないんです。頭や心の中のどこかでつながっているようなそんな感じ。絵を見る感覚と音を聴く感覚は限りなく似ている。あとDJはそもそもクラブという現場に行く楽しさも大きい。クラブ自体がインスピレーションの宝庫というか。出会った人たちとのコミュニケーションからインスピレーションを感じて発信していくこともあります。アートディレクターしかやっていなかったら出会わないようなさまざまなジャンルの人々や、自分よりもっと若い世代の人たちと出会って話したりする機会があるのもすごくいいところですね。

山田 ある意味、ヘアサロンと似ている。

近藤 そうかもしれない。ヘアサロンって、ギャラリー的な役割も果たしている思います。DaBに来ているお客さまは、おしゃれな人が多いし、さらっと置いてある本や飾られているアートも素敵。

山田 ヘアサロンって、もともとその時代の空気感だったり、街の動きだったりを敏感に感じられる場所。お客さまやスタッフの着ているもの、ヘアスタイルを自然に目にして、「今」ってこういう時代の気分なんだなっていうのを感じることって大切だと思うんですよね。

近藤 時代の中で何かを発信していくには、そうやって「今」を敏感に感じ取る力って、私も大切だと思う。SNSやインターネットですごいスピード感で情報収集できる時代になったけれど、どこかで「リアルじゃない」感じはするんです。でもヘアサロンとかクラブとかは、その場でリアルな空気感を感じられる。

山田 リアルに人が集う場所はリアルな情報も行き交うからね。

近藤 そういう場所でひっそり人間ウォッチングするのがけっこう好き(笑)。

山田 確かに麻由ちゃんは、人がいるところが好きなイメージがあるけれど、いわゆる社交的って感じじゃないかもね。

近藤 リアルな場所にいるとその状況は実はものすごくシンプルで、今の時代って本当に情報過多な感じがするんです。

山田 ただただ情報が垂れ流されている感じはあるよね。

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