近藤 千恵さんのやっている作品撮りもそうだと思うけれど、撮影って、事前に準備をどれだけしておこうが、結局はライブだから。実際は、ハプニングの連続ですよね。
山田 そうだね。どう流動的に流れをつかんで、よさを出していくかが大切。感じる力があると、どんな組み合わせでも楽しめるし、ハプニングも楽しめるよね。そんな中、今回、※私の書籍のアートディレクションもやっていただくけれど、どんな感じ?
近藤 千恵さんという人の記念すべき本だから、プレッシャーはあるけれど、心配はしていない。いい本ができると思っています!
山田 麻由ちゃんの、そういうけろっとしているところ、いいよね。変わらない。結婚して子どもが生まれても変わっていない(笑)。生きざまが変わっていない。
近藤 いいものを見て、いいものをつくり出すことを経験していくことで、自分のスタイルって生まれていく気がするんだよね。千恵さんと出会ってヘアスタイルを通して、そういうことを教わってきたし、そういう人たちとの出会いで、楽しくものづくりができるようになっているし。
山田 経験して悪いことってないよね。
近藤 楽しみ方が増えていく感じ。経験が増えれば増えるほど、自分で楽しみ方を増やしていける。
山田 そう思うと、髪を切ることから始まって麻由ちゃんと本づくりができるようになって、今は本当にワクワクしている。
近藤 まさか小学生だった私が、大人になってアートディレクターになって、千恵さんの本づくりに関われるようになるなんて、想像もしていなかったな。
山田 そりゃ、そうだよ。私だって未知数だったし、麻由ちゃんだって未知数だったし。未知数同士がどうなるか?なんて、誰にもわからない。
近藤 うん、わからない。
山田 わからないけど、何かを感じてはいたし、いつも真剣につきあってきたからこそ今があると思うんだよね。
近藤 私は、他の人に髪の毛を切ってもらったことがないから比較はできないけれど、千恵さんに出会えたことで、ヘアデザインのおもしろさを教えてもらって。よかったって本当に思っている。今回の千恵さんの本も、関わることができて本当にうれしい。
山田 さてさて、私の本をどんなふうに料理してくれるんだろう?
近藤 千恵さんの世界観が素直にシンプルに伝わる、温かくもエッジが効いた一冊になるといいかな。これまでの千恵さんのクリエイションというより、現在進行形の千恵さんを表現した本になりそうですね。
山田 美容師さんだけが見るのではなくて、他の業種の人が見ても大丈夫なものがいいな〜。
近藤 クリエイティブに関わるいろいろなジャンルの方に読んでもらえたらいいですね。